街に出て観よう!

街に出て、コンサート、演劇、歌舞伎、落語などを鑑賞した感想を書いたブログです。

初演時のコンビで再演 熱海殺人事件(2015年)

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蒲田行進曲のコンビ

 

平田満風間杜夫での再演

 

熱海殺人事件(2015年12月鑑賞)

(敬称略)

 

12月に入っても、季節感がなく

 

コートを着て歩くと汗ばむ陽気です。

 

そんな暖冬の東京で

 

つかこうへい原作の熱海殺人事件

 

平田、風間のコンビで再演するとのことで

 

新宿の紀伊国屋ホールに行ってきました。

 

18時30分に新宿到着、

 

まだちょっと早いかな

 

なんて余裕かましていたら

 

開演は18時30分からで、

 

15分の遅刻でした。ダウン

 

チケットもう1度見直して

 

おけばよかったです。ショック!

 

昨年つかこうへいの最後の愛弟子と

 

言われていた馬場徹熱海殺人事件

 

見てるので、冒頭は見なくても

 

わかるかと自分を慰めつつ

 

舞台が始まってから15分たった

 

劇場へ申し訳なさそうにして

 

入りました。

 

すぐに気になったのが

 

風間のかすれ声

 

主人公の警視庁捜査一課の部長

 

名(迷?)刑事部長役、木村伝兵衛

 

ハイテンションでセリフ回しもキーな

 

主役なので、このままあと2時間

 

持つのか?

 

前回の馬場はまだ30代で

 

動きも抜群で、さすがの演技。

 

風間は66歳、ちょっとこの年齢で

 

最後まで務まるのか?

 

演劇は演者のそんなところまで

 

気にしながら見るので

 

まさにスポーツを身近にライブで

 

見るような感覚です。

 

映画やドラマはしくじったら

 

撮り直せばいいわけで

 

それが演劇ライブではできない。

 

その緊張の中で見せる

 

演技に興奮もするし、感動もする。

 

演劇で一度感動してしまうと

 

映画やドラマがチープに思える

 

そのため演劇をこよなく愛する人

 

大勢いることを理解できました。

 

ここでちょっと解説。

 

熱海殺人事件は故つかこうへい

 

世に出るきっかけになった作品です。

 

熱海殺人事件は2代目伝兵衛を

 

演じた風間杜夫の時に

 

好評を博し、今までなんども上演

 

されてきました。

 

ストーリーは熱海で起きた殺人事件

 

で連行されて来た犯人を

 

取り調べる過程で世間に認められる

 

立派な死刑囚として育てて行く過程を

 

描いた重喜劇です。

 

ある意味めちゃくちゃな話なのです。

 

この不条理なストーリーが

 

現実に起きている警察権力による

 

冤罪の過程を面白おかしく描いていて

 

重喜劇と言うよりは

 

ブラック喜劇とでも言うのでしょうか?

 

で感想は?

 

平田満は全然年を

 

感じさせませんでした。

 

セリフの間の取り方もうまいし

 

どちらかと言うと風間の

 

フォローに回っていた感じです。

 

犯人役の中尾名慶

 

この人は才能ありますね。

 

長崎弁あまり知らないんですが

 

聞いていてほとんど違和感

 

なかったです。

 

今まで見た犯人役の俳優の

 

中では一番でした。

 

伝兵衛の愛人かつ秘書の

 

ハナ役の愛原実花

 

動きも華麗で声もいい。

 

調べて見ると、元宝塚雪組

 

女役のトップスターで

 

つかこうへいの実の娘と

 

聞いてビックリ!えっ

 

前回見た熱海殺人事件

 

再演を繰り返し、設定は同じ

 

だけど、細かいストーリーは

 

変えているので

 

今回はおそらくオリジナル脚本

 

に近いのかと思います。

 

オリジナル脚本の方が

 

面白かったです。

 

つかこうへいの作品の特徴は

 

人間の根底にある差別意識

 

笑いに変えるところだと

 

思います。

 

それがこの熱海殺人事件では

 

如実に表現されていて

 

特に風間がやると非常に

 

おかしかったです。

 

当然、馬場徹も良かったですが

 

馬場の場合はうまいんだけど

 

可笑しさから言ったら

 

風間でした。

 

笑いのツボも心得ていて

 

ただいかんせんこの役を

 

60代でやるのは無理がある。

 

それをあえて挑んだ

 

風間にエールを送りたいと

 

思います。クラッカー

 

多分もうこのコンビでの再演は

 

ないと思われますので

 

この機会にみることを

 

お勧めします!チョキ

 

終了後、電気がついているのに

 

カーテンコールが鳴りやみません

 

でした。

 

東京公演は12月末まで

 

紀伊国屋ホールは狭いので

 

逆に演者を間近に見られます。