街に出て観よう!

街に出て、コンサート、演劇、歌舞伎、落語などを鑑賞した感想を書いたブログです。

舞台版 笑いの大学(1998年)

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三谷幸喜の重喜劇

 

笑いの大学(舞台版1998年) 敬称略

 

 

笑いの大学は

 

元はラジオドラマで、後に舞台化された

作品です。

 

2004年にスマップの稲垣役所広司

 

映画化されたので、記憶にある方も

 

いるかもしれません。

 

1998年の舞台は

 

ドラマでも三谷とよく組んでいた

 

西村雅彦と三谷の舞台では常連の

 

近藤芳正が出演していました。

 

笑いの大学は二人劇なのです。

 

舞台は予算も限られるため

 

二人劇や三人劇がよく上演されます。

 

うーん(ちょっと考える)

 

映画より、舞台の方が面白いです。

 

三谷にかかわらず、舞台の映画化ではよく

 

あることなのですが

 

元々舞台のために書いた脚本なので

 

舞台の方がやっぱり面白いわけです。

 

あと役者の違いもあります。

 

西村の役は意地の悪い

 

検閲官の役です。

 

まぁ下らない劇の台本にケチをつけて

 

採用、不採用を決める役人なのです。

 

今でも映画は映倫なんて組織が

 

あってそこで検閲しているわけです。

 

その昔は国家にとって不利益と

 

思える本や歌、舞台などを

 

バシバシ取り締まったのです。

 

そのため昭和10年代の演劇は

 

軍国主義一色になって

 

当時の演出家や脚本家の多くが

 

失業したそうです。

 

そんな暗黒の時代の検閲官と

 

脚本家のやりとりを演劇にしたのです。

 

それでそんなやりとりが面白いのかと?

 

これが結構面白いのです。

 

それから、この水と油だった

 

二人に変な友情が芽生える。

 

そしてこれでハッピーエンドかと

 

思わせておいてまた・・・・

 

と舞台は続きます。

 

ここでまた、さっきと同じ感想

 

舞台を見終って、一つの疑問が

 

これ別に映画じゃなくても

 

いいんじゃないの?

 

そう、そうなんです。

 

映画じゃなくても、舞台で十分なんです。

 

ただ舞台は値段が高いし

 

何度も上演できません。

 

その点映画は撮っておけば

 

その時は見なくてもビデオ化されるので

 

また他の方にも見られるチャンスが

 

生まれるのです。

 

実際に自分も今は三谷の舞台

 

を見に行ってますが、

 

初めて三谷作品に出合ったのは

 

映画化された

 

12人のやさしい日本人でした。

 

興味のある方は

 

舞台は中々見に行けないので

 

簡単に観られる 2004年版の

 

笑いの大学見て下さい。

 

検閲官役の役所広司

 

ちょっと人が良さそうなキャラ

 

脚本家役の稲垣はドジだけど

 

二枚目のキャラに変更されてます。

熱海殺人事件 誕生40周年 公演 熱海殺人事件(2012年12月)

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演劇鑑賞第二弾、≪熱海殺人事件(誕生40周年記念公園)≫新宿紀伊国屋ホールで鑑賞!

(2012年12月鑑賞)

あの、つかこうへいの不条理作劇の名作、熱海殺人事件を見て来ました。

 

初演以来、様々なキャストで演じて来た、熱海殺人事件

 

映画版は鑑賞していたのですが、演劇版は見ていなかったので、

 

今回、新宿でやるとのことで、是非見なければと思い見に行きました。(2012年12月)

 

つか作品との出会いは意外にもNHK連続ドラマ≪青春駆け落ち編≫でした。(以下敬称略)

 

大竹しのぶ風間杜夫のコンビでくりひろげる、つか版のラブコメディー、普段ドラマは見ないのですが、これは再放送も含めて2回鑑賞しました。

 

生前のつかこうへい演出の作品は見逃してしまいましたが、つかの意志をついだ演出家岡村俊一、つかの最後の愛弟子と言われている若手俳優の馬場徹の舞台は大変面白かったです。

 

馬場徹はつかが認めたこともあって、この難しい作劇の主人公の役を強弱をうまく使いながら、見事に演じていました。

 

劇中の主要登場人物は4人で、警視庁刑事部長に馬場徹、彼を補佐する婦人警官に大谷英子、富山から上京する刑事に牧田哲也、今回のゲスト出演に犯人役でエグザイルのナオキが出演しています。

 

ストーリーは熱海の海岸で起きた殺人事件を取り調べる過程でわかってくる色々な人生模様をつかこうへいの独特なギャグと演出で観客を楽しませる内容となっています。

 

冒頭から差別ネタ炸裂で、とうていテレビでは見せられない内容ですが、それもさらっと流すところの演出、脚本が秀逸でした。

 

40年前と今とではかなり時代背景も変わっており、その点はおそらく演出家の岡村がうまくアレンジしたのだと思います。

 

ナオキのエグザイルネタも結構笑えました。にひひ

 

つか作品の特徴はつか自身もあまり裕福な環境で育っておらず、底辺の人々が社会で生きていくつらさ、苦境の状況の中で起きる出来事、世の中にある潜在的差別意識、などをブラックな表現で笑いに変えてしまうことです。

 

これはつかの映画化作品でも見られることですが、もともと劇のために書いた脚本のため映画やドラマだと十分に表すことが難しいと思いました。

 

劇の途中に今公開して話題になっているレミゼラブルのネタも入れていて、これは思わず笑い転げてしまいました。音譜

 

2時間あまりの4人の熱演に時間もあっと言う間に過ぎました。

 

凄く面白かったです。チョキ

 

映画もいいけど、たまには演劇も見てみようとか、演劇鑑賞の経験が少ない方に演劇の面白さが伝わってくる作品だと思いました。

 

他のつか作品も演劇で是非見に行きたいと思いました。

 

演劇ラストのつかさんへの哀悼をさりげなく見せるところもうまかったです。

 

まだ演劇を生で見たことない方はつかこうへいか、三谷幸喜あたりを鑑賞するとはまるかもしれません。

 

ただ三谷はチケットがちょっと高めです。

 

興味のある方は一度鑑賞してみてはいかがですか?

 

 

美輪様はすごかった!

 

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美輪様は凄かった!

 

葵上、卒塔婆小町(2010年5月鑑賞)

 

思えば5年前(以下敬称略)

 

知り合いから、美輪明宏の演劇のチケットを譲り受けた。

 

若いときはシャンソン歌手で

 

年を重ねるに連れて

 

演劇も数多く手掛けている美輪様

 

ただもうこの当時御年75歳

 

75歳の美輪様が

 

妙齢の美女を演じるとのこと

 

怖いもの見たさ 50%

 

寝たらどうしよう?恐怖感 50%

(美輪様は態度の悪い客に容赦なくキレルらしいとの噂)

 

銀座の劇場に着くと

 

圧倒的に女性客が多い。

 

席に座ると、

 

普段コメディばかり見てるので

 

ぺちゃくちゃ客席がうるさいのに

 

慣れているのですが

 

この日はシーン

 

みなさん、お通夜の席にいるように

 

ヒソヒソ話

 

(美輪様の上演中は咳払いでも、キレルらしいとの噂)

 

演劇が始まる5分まえには

 

静寂が訪れました。

 

まさにしーん

 

まったく音が聞こえない静寂の中

 

美輪様登場!クラッカー

 

まずは葵上

 

一人語りが始まる。

 

舞台はベッドとテーブルのような簡単なセットがあるだけ

 

葵上は女の情念が生む

 

怖い話です。

 

中休みあったかどうか忘れてしまうほど

 

インパクトありまくり!アップ

 

なんか見てるだけなのに

 

どっと疲れが

 

でも眠気はいっさいなし。

 

続いて卒塔婆小町

 

夜の街灯がともる道に一人の老婆が

 

とぼとぼと歩くシーンから始まる。

 

美輪様が老婆だ!

 

まったく違和感なし。グッド!

 

老婆は語る

 

昔は良かったと

 

そして一瞬にして華やかな舞踏会のシーンに

 

今度は妙齢な女性が登場!

 

美輪様だ!

 

舞台はアップがないので

 

75歳の美輪様が妙齢の女性に見えてくる。

 

美輪様だからできる役ですね。グッド!

 

凄い、凄すぎる。

 

本当に凄いものを見た。アップ

 

2本合わせても2時間くらいなのですが

 

終わったあと、のどが渇きました。

 

いや何か凄い体験をした感じです。

 

女の人が見に行くのは

 

おそらく彼(彼女)の

 

バイタリティなのかなぁと思いました。

 

80歳を迎えた美輪様。

 

もう舞台は引退するそうです。

 

舞台はセリフもあるし立ち回りもあるし

 

大変なのです。