熱海殺人事件 誕生40周年 公演 熱海殺人事件(2012年12月)
演劇鑑賞第二弾、≪熱海殺人事件(誕生40周年記念公園)≫新宿紀伊国屋ホールで鑑賞!
(2012年12月鑑賞)
あの、つかこうへいの不条理作劇の名作、熱海殺人事件を見て来ました。
初演以来、様々なキャストで演じて来た、熱海殺人事件。
映画版は鑑賞していたのですが、演劇版は見ていなかったので、
今回、新宿でやるとのことで、是非見なければと思い見に行きました。(2012年12月)
つか作品との出会いは意外にもNHK連続ドラマ≪青春駆け落ち編≫でした。(以下敬称略)
大竹しのぶ、風間杜夫のコンビでくりひろげる、つか版のラブコメディー、普段ドラマは見ないのですが、これは再放送も含めて2回鑑賞しました。
生前のつかこうへい演出の作品は見逃してしまいましたが、つかの意志をついだ演出家岡村俊一、つかの最後の愛弟子と言われている若手俳優の馬場徹の舞台は大変面白かったです。
馬場徹はつかが認めたこともあって、この難しい作劇の主人公の役を強弱をうまく使いながら、見事に演じていました。
劇中の主要登場人物は4人で、警視庁刑事部長に馬場徹、彼を補佐する婦人警官に大谷英子、富山から上京する刑事に牧田哲也、今回のゲスト出演に犯人役でエグザイルのナオキが出演しています。
ストーリーは熱海の海岸で起きた殺人事件を取り調べる過程でわかってくる色々な人生模様をつかこうへいの独特なギャグと演出で観客を楽しませる内容となっています。
冒頭から差別ネタ炸裂で、とうていテレビでは見せられない内容ですが、それもさらっと流すところの演出、脚本が秀逸でした。
40年前と今とではかなり時代背景も変わっており、その点はおそらく演出家の岡村がうまくアレンジしたのだと思います。
ナオキのエグザイルネタも結構笑えました。
つか作品の特徴はつか自身もあまり裕福な環境で育っておらず、底辺の人々が社会で生きていくつらさ、苦境の状況の中で起きる出来事、世の中にある潜在的な差別意識、などをブラックな表現で笑いに変えてしまうことです。
これはつかの映画化作品でも見られることですが、もともと劇のために書いた脚本のため映画やドラマだと十分に表すことが難しいと思いました。
劇の途中に今公開して話題になっているレミゼラブルのネタも入れていて、これは思わず笑い転げてしまいました。
2時間あまりの4人の熱演に時間もあっと言う間に過ぎました。
凄く面白かったです。
映画もいいけど、たまには演劇も見てみようとか、演劇鑑賞の経験が少ない方に演劇の面白さが伝わってくる作品だと思いました。
他のつか作品も演劇で是非見に行きたいと思いました。
演劇ラストのつかさんへの哀悼をさりげなく見せるところもうまかったです。
まだ演劇を生で見たことない方はつかこうへいか、三谷幸喜あたりを鑑賞するとはまるかもしれません。
ただ三谷はチケットがちょっと高めです。
興味のある方は一度鑑賞してみてはいかがですか?