街に出て観よう!

街に出て、コンサート、演劇、歌舞伎、落語などを鑑賞した感想を書いたブログです。

さすが役者をやってるだけあります。立川談春(2016年1月)

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さすが俳優やっているだけありました。

 

立川談春 新春落語(2016年1月)

 

東京は暖冬の影響で季節感が

 

ありません。

 

少し寒くなったかと、思ったらまた

 

暖かくなって、自宅近くの川沿いを

 

ジョギングしていたら

 

小さい羽根虫が飛んでいました。

 

そんなおかしな陽気の中

 

有楽町よみうりホール

 

鑑賞しました。(1月9日)(敬称略)

 

立川一門では志の輔志らく

 

何度か拝聴していますが

 

談春は初めての高座でした。

 

談春と言えば

 

誰が言ったか、談志の弟子

 

立川四天王の一人で

 

最近は赤めだかの作者

 

ドラマ 下町ロケット

 

経理部長役 殿村を演じ

 

人気を博している方です。

 

前評判では立川一門の中で

 

一番談志の芸を受け継いだ

 

噺家と言われています。

 

彼もそれを自覚してか

 

師匠談志の得意としていた

 

芝浜や居残り佐平次

 

よく高座で演じています。

 

有楽町よみうりホールは

 

ビックカメラの中にあって

 

最初どこにあるのか

 

迷ってしまいました。

ビックカメラの周りをうろうろ)

 

時間ギリギリに会場に到着。

 

座席番号を見ると2階席だったので

 

あわてて2階へ急ぐ。

 

もうすでに会場は満員の状態。

 

キャパは1000人くらいでしょうか?

 

ほぼ満員の状態でした。

 

普段人気落語家の独演会でも

 

500人くらいなので

 

結構入っていました。

(やぱりドラマの影響か?)

 

前座は弟子の小春

 

この方、遠くから見ると

 

子どものように小さい。

 

この方は女性の方で

 

最近は女性の噺家も結構

 

増えているようです。

 

女性客も増えているので

 

落語界にとってはいいことだと

 

思います。

 

ネタは締め込み

 

泥棒に入った男が

 

家主が帰って来てしまい

 

逃げるに逃げれず

 

家の中に隠れて様子を

 

うかがう。そんな滑稽話です。

 

ちょっとだけ、落語の解説を。

 

落語にはいくつかの話の種類が

 

あります。

 

滑稽話寿限無やまんじゅう怖い

 

などがそうです。

 

人情話、怪談話、講談話など。

 

高座にかかるのは

 

ほとんどが滑稽話ですが

 

人情話も時々演じられます。

 

締め込みは滑稽話で

 

泥棒が盗みに入った家に

 

閉じ込められる間抜けな

 

状況を話としています。

 

女性の方だけあって

 

おかみさんのセリフは完ぺきでした。

 

そして真打登場!

 

まくらはやっぱり

 

ドラマ 下町ロケットの話が

 

中心でした。

 

そして初めの演目は

 

粗忽の使者

 

ちょっと間抜けな武士が

 

大名の使いとして他家へ

 

訪問するそんな滑稽話です。

 

談春の粗忽の使者は徹底的に

 

使者である武士をおちょくった

 

人物として描いています。

 

このそそっかしい武士が

 

意外にまっすぐな人物として

 

とらえている点が可笑しかったです。

 

談春、初めて聴きましたが声が

 

いいですね。

 

役者としてスカウトされるだけあり

 

ました。

 

次の妾馬は題材が現代にそぐわない。

 

娘が大名に取り立てられ妾になる。

 

昔はこれがシンデレラストーリー

 

だったのですが。

 

戦後も今はタレントで有名なデビ夫人。

 

この方もインドネシアの国王の妾さんです。

(正式には第三夫人)

 

妾馬は今のような1夫1婦制では

 

話のニュアンスが伝わりにくいので

 

高座であまりかからなくなりました。

 

談春がやると

 

愚兄賢妹の人情話として

 

非常に面白かったです。

 

愚兄賢妹と言えば

 

男はつらいよ の寅と桜ですね。

 

妾になるまでの前半のストーリーは

 

吹っ飛ばして

 

できそこないの兄が

 

母のためにひと肌脱ぐ

 

人情話にできあがっているところが

 

面白かったです。アップ

 

談春、もうドラマは出ないし

 

小説も書かないと言ってましたが

 

小説はともかく

 

俳優業は続けて行って欲しいと

 

思いました。

 

噺家にはいろいろなタイプがあると

 

思いますが、この方は一人芝居が

 

できて、うまい噺家だと思いました。

 

また機会があったら

 

聞いてみたくなるような噺家でした。グッド!